新しく店舗を開いて営業するには、それ相応の準備や覚悟が必要になります。しっかりした心構えを持たなければ、そもそも開業することすら難しいでしょう。しかし、大変なのは開業した後です。大多数の飲食店は、開業後1年で閉店してしまいます。自分だけは大丈夫と思っていませんか?味には自信があると思い込んで、客観的な評価をおろそかにしていませんか?そのような見通しも含めてしっかりと開業に対して準備をする必要があります。
なぜ、開業したいのですか?
まずは、開業があなたにとって必要な理由を考えましょう。開業には、お金も時間も必要です。あなたには、その両方をかける覚悟がありますか?個人で開いた飲食店は、1年以内にそのほとんどが閉店するという厳しい現実があります。せっかく苦労して開いたお店なのに、見積もりが甘かったなどの理由ですぐに閉店してしまうのは、とても残念なことです。しっかりと覚悟を決めて、見通しをしっかり立てて開業しましょう。
安定したサラリーマンをやめる勇気はありますか?
開業すれば、安定した収入のあるサラリーマンとは違い、収入は不安定になります。また、今までは会社が代行していた年金に代表される社会保障関係の手続きも自分でする必要がありますし、確定申告などの煩雑な仕事も必要です。サラリーマンのときは、目に見えない誰かがやっていた仕事も、独立後は自分の責任で行う必要があるのです。つまり、サラリーマンは安定しているだけでなく、商売に関するさまざまな雑事をこなさなくてよいというメリットもあるのです。それでもあなたは、安定した収入を捨ててまで、開業する勇気はありますか?
家族の合意を取り付けましたか?
会社を辞めて、さあ開業するぞ!と意気込んだのはいいものの、奥さんが開業後の生活に不安を抱いて開業に猛反対、さらには離婚まで言い出し始めたため、開業計画が頓挫してしまった・・・こんなケースも実際にあるのです。こうならないためにしっかりと事前に家族の同意をとりつける必要があります。また、小規模な店舗の場合、人件費をおさえるために家族に手伝ってもらうことも多いので、家族の協力は絶対に必要なのです。
EXITプランをもっていますか?
経営状態が悪化し、事業をを止めるという判断はとても大切です。事業はギャンブルと同じで止め時が肝心です。再起不能になるほどの大ダメージを受けない限り、再スタートはいくらでも切ることができます。黒字化の見込みがなく、赤字を垂れ流し続けるよりは、事前に「売上がこのくらいまで低下してしまったら事業から撤退する」という目安を決めておきましょう。